飯島晃さんが在籍していた「高柳昌行とニューディレ
クションユニット」のアルバム「メルス・ニュージャズフ
ェスティバル80」です。西ドイツのメルスで行われた演
奏です。第5福竜丸で亡くなった久保山愛吉の墓碑銘
という詩の朗読や、韓国の抵抗詩人金芝河の詩の朗
読に演奏がかぶさり、その独特の音は聴く者の心に鋭
く突き刺さります。
この翌年、朝鮮人被爆者の記録映画「世界の人へ」と
出会い、黄BANDが結成されます。
コンボ・ラキアスの音楽帖 飯島晃
90年作品。puff up labels。
今回の飯島晃のアルバムを聴いている
と、彼がこつこつと創り上げた音楽世界
から、絶え間ない流れのように新たな発
見が次々と押し寄せてくる。目を閉じて
耳を澄ます価値のある一枚だ。
(中略)
それにしても、ギターこそ、ここに奏でられる音楽のデリケートな魂だ。何物をも
誇示しない、クールで抑制の効いた飯島
の演奏が、錬金術のように全ての音楽
的エレメントをひそやかに綴りあわせ、
歌わせるのである。
Fred Frith 1990
飯島晃(いいじまあきら)